公認心理師ができるのに臨床心理士は必要か?

2015年の9月に心理職の国家資格である公認心理師法案が成立となりました。
詳細はこれから半年を目安に決まりますが、この法案は心理の仕事に携わる人々にとって、大きな変化を生み出す出来事です。

公認心理師は、日本初の心理の国家資格です。
臨床心理士が働いている現場では、既に研修内容や仕事の内容など、国家資格に合わせた変化が始まっています。当然、臨床心理士の指定大学院入試の筆記試験や面接試験においても、この流れに合わせて心理の国家資格化と関わる問題などが出題されます。
公認心理士になるためには、大学の心理系学部に4年間通って公認心理師になるために必要な科目を履修する必要があります。その後で公認心理師の資格試験を受験できるのです。

それでは、公認心理師という資格ができると、臨床心理士の必要性はどうなるのでしょうか?
筆記試験や面接で、臨床心理士の職業アイデンティティなどと絡めて出題されそうなテーマです。

結論から述べると、公認心理師という資格があっても、臨床心理士は必要です。したがって、指定大学院に入学した上で臨床心理士の資格をとる意義はあります。これは現在の臨床心理士の4大業務を踏まえると、より一層明確になります。

臨床心理士の4大業務は

心理査定
心理面接
心理的地域援助
臨床心理学に関する調査・研究


と、多くのテキストなどで記載されています。

実は、国家資格である公認心理師をよく見てみると「臨床」の2文字がありません。字面で見るとたった2文字の違いかもしれませんが、意味は大きく異なります。つまり、2つの心理に関わる資格を比べた場合、臨床に携わる度合いが大きければ大きいほど、公認心理師よりも臨床心理士が優先される可能性が高いということです。

心理士の国家資格化は、数十年前から試みられていたものです。臨床心理士の社会的ニーズの増大、先進国からの勧告など、その理由は多々あります。

そして、理由の1つに心理士の仕事の手広さが挙げられます。この心理士の仕事の手広さ、いわゆる心理的支援の多角化と専門化が国家資格化に拍車をかけました。臨床心理士という資格ができたとき、臨床心理士の主な仕事は面接(カウンセリング)であり、主な仕事場は病院でした。現在の4大業務では、心理査定と心理面接に該当します。

しかし、現在は臨床心理士の仕事も職場も多様化しています。加えて、それぞれの職場で求められる専門性も高度になっています。
つまり、一口に臨床心理士といっても、その心理士が積み重ねたキャリアや専門分野が異なるということです。

そして臨床にさほど携わったことがない人でも、端から見れば臨床心理士の資格を持っているので、臨床心理士として働いているように見えます。これは、実際の現場においてトラブルが生じる源になります。

臨床心理士を取り巻く現在の状況

数十年前と比べて臨床心理士の仕事は多種多様になりました。その結果、臨床にさほど携わったことがない人でも臨床心理士を名乗れるというのが現在の状況です。これは、実際の現場において、社会的ニーズと臨床心理士が提供できるサービスとの乖離を生むリスクを備えています。

心理的援助を受けたいと考えた場合、臨床心理士を頼ることが選択肢の1つとして考慮されます。
しかし「どの場所にいるどのような臨床心理士を頼るのか」が現在の状況では不明瞭です。
ホームページなどに載っている情報を見ても、心理学の素人には意味がわからないことがたくさん書いてあることもあります。

実際、以下に示すようなユーザーのニーズと提供されるサービスのミスマッチが頻繁に生じています。

・自己理解を深めたい → 「考え方や行動の癖を指摘されてカウンセリングが終了した」

・うつ病を患っている夫への接し方を相談したい → 「本人を連れてくるように言われた」

臨床という立場を重視して仕事に取り組んだ場合、精神疾患を患っている家族がいる人に対して「本人を連れてくるように」という提案は正解です。しかし、現実的な対応かどうかを問われると疑問が残ります。
一方、自己理解を深めるためのサービスの提供は臨床の得意分野です。専売特許といっても過言ではありません。
しかし、仮に療育現場などで認知行動療法を専門としてきた臨床心理士が相談者に応対した場合、上記のようなサービスを提供することが精一杯になるはずです。
つまり、臨床心理士とは「心理士の業務の中で臨床に特化した」人たちのことを今後は指していくようになると考えられます。

以上のことを踏まえると、国家資格である公認心理師ができたとしても、臨床心理士の社会的意義は消えません。むしろ、臨床に関わる業務に積極的に取り組みたい方にとって、追い風となる可能性もあるでしょう。

公認心理師になるためには

これからは臨床心理士と公認心理師が共存する社会になると考えられますが、これから公認心理師になるためには、以下に挙げた受験資格者の規定のどれかを満たす必要があります。

  • 大学および大学院で、心理学その他の公認心理師となるために必要な科目を修了した者、またはそれに準ずる者。
  • 大学で心理学その他の公認心理師となるために必要な科目を修めて卒業した者、またはそれに準ずる者で、一定の施設において心理に関する支援の業務に従事した者。
  • 上記2つに掲げる者と同等以上の知識・技能を有する者。

公認心理師法は遅くても2017年9月15日までに施行されます。
これまでは特例の特別措置として、臨床心理士指定大学院を卒業した人であれば、公認心理師の国家試験を受験できる可能性があるとされてきました。

しかし、2017年以降から大学、もしくは大学院を目指す方は、公認心理師になるためには、公認心理師の必要カリキュラムのある大学の心理学部に入り4年間勉強します。
そして、その後に、指定大学院で2年間の勉強を経て公認心理師の国家試験を受験する資格を得ることになります。

もしくは指定大学の心理学部で4年間勉強した後に、大学院に行くのではなく、文部科学省・厚生労働省の指定する施設で数年間の実務経験を経てから、公認心理師の国家試験を受験する資格を得ることになります。



法律施行後は上記2つのルートのどちらかを経て、公認心理師を目指すことになるでしょう。
今後は、臨床心理士と公認心理師との2つの資格を取得して社会で活躍する心理士が増えるとも予想できますので、これまで通り指定大学院を目指す受験生に変化はないかと考えられます。

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