修士論文の傾向と研究計画書で求められるもの

修士論文の2つのタイプ

臨床心理系大学院の論文は、大きく分けると2つのタイプに分類できます。

1つ目は、分析手法などを用いた実験・調査系の論文です。
統計、量的・質的研究、縦断的・横断的研究などの言葉が出てきます。
このタイプの論文は、特定の出来事やある現象などを明らかにする、新しい研究課題・仮説を提示することを目的とします。
研究計画書を書く際に参考にする「先行研究」も、このタイプに分類できます。

2つ目は、事例(ケース)を題材とした論文で、聞き慣れない方も多いのではないでしょうか。
このタイプの論文は、「臨床心理」に特有のものであり、事例(ケース)研究と言われています。

大抵の論文は、何かしらの精神疾患を患っているクライエントに心理療法を実施し、「クライエントの容態(様子)の経過」「実施した心理療法の効果」などについて、「目的」→「面接(介入)過程」→「考察」の順で書かれています。

多くの大学院では、基本的に実験・調査系の論文を卒業研究として採用していますが、近年、事例研究を卒業研究として課す大学院も増えています。特に、専門職大学院ではケース研究が好まれ、「ケースレポート」という形で修士論文を執筆することも多々あります。

研究計画書に求められるもの

改めて自分の研究計画書を見直すと、どちらのタイプに分類できるでしょうか?

多くの方の研究計画書が1つ目の「実験・調査系」のタイプに分類されるのではないでしょうか。
その場合、面接に備えて「自分の研究が臨床現場でどのように役立つのか?」を考えておきましょう。

一方で、2つ目の「事例(ケース)系」に分類できる場合、研究の方法と実現可能性に関して、特に注意する必要があります。
例えば、
「量的研究と質的研究のどちらで研究を行うのか?」
「データはきちんと集まるのか?」
といった質問が、面接官から出てくることが想定できると思います。

臨床系の大学院では、「研究と現場(臨床)の結びつき」が求められます。
したがって、「基礎研究だけで終わりそう」「研究結果が主観的であるため、応用が難しい」と入試の面接で判断された場合、大学院では残念な合否結果を出さざるを得ません。

自身の熱意などを研究計画書を通して伝えることも大切ですが、「自分は、大学院から何を求められているのか」を的確に把握した上で、研究計画書を作成して、面接に臨むことが重要です。